学会発表を終えて①

先日、10月11日(土)~10月13日(祝)、教育心理学会が開催されました。いつもお世話になっている先生にお声がけいただいたのがきっかけで、「心理的安全性の視点から見た不登校傾向の児童生徒支援ー教育心理実践としてのポリヴェーガル理論の応用」(長いですね💦)というタイトルで指定討論者を含み4人の先生方と一緒に発表させて頂きました。

ポリヴェーガル理論って何?という方のため説明さえて頂くと・・・ポリヴェーガル理論とは、ステファン・ポージェス博士によって提唱された自律神経系に関する理論です。

ポリ=複数の ヴェーガル=迷走神経 という意味です。

これまで、自律神経は交感神経と副交感神経の二つに分かれると教科書では習ってきたと思います。
危機的な状況で、逃げたり、闘ったりと身体を素早く動かすことができるのは自律神経の働き。
一方で、回復・休息・リラックスは副交感神経による働きですね。

ところが、ポージェス博士は、従来副交感神経とされてきた神経系に、働きの異なる二つの神経系が存在するということを提唱しました。それが、腹側迷走神経系(緑🟢の神経系)と背側迷走神経系(青🔵の神経系)です。
交感神経系(赤🔴の神経系)と合わせると三つの神経系で説明できる、というわけです。(長いので緑、青、赤の神経系、と表現しますね)。緑の神経系は、哺乳類が群れで子育てをしたりする中で育んできた神経系で、社会交流やつながりを担います。

一方、青の神経系は、呼吸や睡眠など、私たちの生命を維持するために欠かせない働きのほか、命の危機に瀕した際は、シャットダウンや凍り付きを引き起こします。

私たちも、とても緊張した際、言うことが思い出せなくて頭が真っ白になったりすることがあるかと思いますが、それはこの青の神経系による凍り付きによるもの、と言えるでしょう。


不登校の生徒たちや問題行動を起こしている子ども達の中で、この青の神経系による凍り付きや赤の神経系による活性化が起きているのではないか、と考えられるのではないか?という仮説が成り立ちます。そう考えると、子ども達への見方が違ってくるのではないでしょうか?

では、その凍り付きを解くには・・・?
そのために必要なのは、とにかく、一にも二にも、安心・安全が感じられる関わりなのです!

具体的には、穏やかな関わり、優しい声掛け、笑顔やうなずき、あいづち、あなたを受け入れている、認めているよ、という言葉・非言語による、安心安全が感じられる合図。これらが潤沢に注がれること。つまり愛情が感じられることなのです。

言ってしまえば当たり前のことなのですが・・・。
学校に行けないのは凍り付いているから。そう考えると、無理に登校させたり、急かしたりするのは違う、と言えますよね。

今回の企画の発端は、こんなところからの出発でした。

さらに、この発表をすることになった経緯や、そこでの体験で感じたことなどをまた次の回でお知らせしたいと思います。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次